鎌倉散歩今が旬

古都鎌倉に咲く四季の花は見事です・四季の花を眺めながらの鎌倉散歩は快適・爽快

　鎌倉は今、四季の花が見ごろです。この時期鎌倉には、多くの観光客がやってきます。世界中からも観光客が古都鎌倉にやってきて、土日はにぎやかです。しかし一歩裏通りを歩けば、そこは別世界です。鎌倉時代から続く古道を散歩したり、鎌倉の特徴的な地形である切通を歩くと、鎌倉時代にタイムスリップしたような錯覚を覚えます。それでは鎌倉散歩を写真と地図で紹介しましょう。写真と地図を気軽に眺めてください。

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　正月の頃、鎌倉ではスイセンの花やツバキの花、ロウバイの花が見ごろになります。鎌倉市内の各寺社ではスイセンの花の香りが漂っています。鎌倉浄光明寺でもスイセンの花が見ごろを迎えていました。また寿福寺の裏の墓地には実朝の墓や政子の墓がありますが、五輪塔の上にツバキの花がきれいに咲いていました。

　ＪＲ北鎌倉駅で下車して、横須賀線の踏切を渡ると円覚寺の庭園が見えます。２月中旬、北鎌倉円覚寺境内の、池の前の紅梅（ウメ）が見ごろを迎えます。北鎌倉の駅は円覚寺の境内にあるために、横須賀線の踏切を渡るとすぐに円覚寺の庭園が見られるのはうれしいですね。

《鎌倉鶴岡八幡宮に咲く早咲きの河津桜写真・２月下旬》

　２月の下旬鎌倉鶴岡八幡宮本殿前に、早咲きのカワヅサクラ（河津桜）が咲きます。カワヅサクラ（河津桜）は赤みがかった、きれいなサクラです。鎌倉のソメイヨシノは３月下旬からが見ごろですが、サクラにも様々な品種があるので鎌倉では、長い期間サクラを楽しめます。鎌倉では早咲きのサクラは（河津桜など）２月中旬から始まり3月上旬のオオシマザクラ、八重桜の５月まで、長い間桜を楽しむことができます。

植物名	鎌倉の花　漢字鎌倉花　英語 Kamakura Flower　中国語　日本的鎌倉市花
気候	温帯
気温	2℃～30℃
特性	冬暖かく、夏涼しい。気温差は少ない。日中南の海風が吹く日が多い、潮風あり
花期	春花：ウメ、サクラ、ツバキ、ナノハナ、シャガ、ツツジ、ヤマブキ、他初夏花：アジサイ、サツキ、ミヤコヨメナ、シャクナゲ、ハナショウブ他夏花：ハス、スイレン、サルスベリ、キョウチクトウ、デュランタ、ムクゲ、他秋花：フヨウ、シュウカイドウ、野菊、コスモス、ハギ、リンドウ、サガギク、他冬花：サザンカ、チャノキ、ツワブキ、ナンテン実、センリョウ実、他
花色	青色花：トレニア、アジサイ、アヤメ、リンドウ、ツルリンドウ、他赤色花：バラ、ツバキ、サザンカ、タチアオイ、フヨウ、ムクゲ、ヒガンバナ、他白色花：シクラメン、ヤマボウシ、オオシマザクラ、ハナミズキ、スイレン、他黄色花：ヤマブキ、タンポポ、ナノハナ、キンシバイ、ビョウヤナギ、レンギョウ、他紫色花：シコンノボタン、シモクレン、オオムラサキツツジ、ハナショウブ、他オレンジ色花：ザクロ、カンナ、マリーゴールド、クンシラン、カンゾウ、他
特徴	・古くから国際交流が多いため、古い時代に帰化した植物が多い・寺院には古くからの薬草や茶花が多い・鎌倉時代に薬草（植物）を使った製薬事業、医療活動の跡が見られる（極楽寺他）・谷戸と呼ばれる湿潤な谷間に咲く花が多い・海岸沿いには海浜植物が多く見られる・寺社で良く手入れされた植物が多い・寺社では植物の価値が理解され、観光資源となっている
観察地	鶴岡八幡宮、長谷寺、円覚寺、成就院、極楽寺、浄智寺、銭洗い弁天、切通、他
特徴	固有種の他、薬草茶花などの帰化植物が多い、植物の利用がされている
利用	茶花、芸術、食用、染色、鑑賞用、庭園、生薬、薬草、医薬品、瑞泉寺、他
科名	キク科、マメ科、バラ科、ツツジ科、アヤメ科、キンポウゲ科、ユリ科、他

　北鎌倉から扇ガ谷切通し（亀ヶ谷坂切通）を越えて、更に化粧坂切通の坂を登ると源氏山公園があります。春に鎌倉源氏山公園のハナカイドウの花が咲き出していました。春の頃の鎌倉花散歩は、春の花が多く楽しみです。

　鎌倉駅から源氏山、化粧坂切通に抜ける道は自然が残る散策路です。鎌倉源氏山の途中に、銭洗い弁天（宇賀福神社）があります。切り立ったがけに、手で蚤を使って掘ったようなトンネルがあります。青の洞門に出てきそうなものですが、通りぬけるとそこは別の時代にきたようです。銭洗い弁天（宇賀福神社）は、源頼朝縁の鎌倉時代から続く神社です。銭洗い弁天（宇賀福神社）付近には、真夏も涼しい風が吹きます。更に源氏山から化粧坂の切通しに行くと、昼なお暗く歴史を感じさせます。

　鎌倉は桜が終わるとハナカイドウ、シャガ、ボタン、ツツジなど百花繚乱の季節を迎えます。この季節の鎌倉散歩は最高です。鎌倉花の長谷寺のボタンは華やかです。奈良の長谷寺に負けない美しい花をつけます。

　北鎌倉浄智寺は鎌倉五山の４位に位置する名刹です。浄智寺へは北鎌倉駅から徒歩７分ほどです。浄智寺山門の下にある名水、甘露の井近くに架かる反り橋と、アジサイの花が見事です。浄智寺境内には「やぐら」と呼ばれる鎌倉式の墓と五輪塔があります。

　アジサイの花が見ごろになる６月、鎌倉は観光客で賑わいます。鎌倉でアジサイ、ガクアジサイの花が美しい場所は、たくさんあります。ＪＲ北鎌倉駅に近い明月院や江ノ電長谷駅に近い鎌倉長谷寺、成就院などが特に人気です。鎌倉のアジサイ情報はアジサイ咲く鎌倉からご覧下さい。

　北鎌倉駅から徒歩３分の場所にある東慶寺は花の寺として知られています。北鎌倉東慶寺境内では、季節の花が絶えることがありません。北鎌倉東慶寺境内では、6月にはアジサイの花や、イワタバコ、ホタルブクロの花がとてもきれいです。

《鎌倉鶴岡八幡宮平家池の白いスイレン写真・８月下旬》

　鎌倉の夏は海水浴客や観光客で賑やかです。鎌倉駅に近い本覚寺では鉢植えのハスの花が7月初旬に花が咲き出し、見ごろを迎えます。鎌倉鶴岡八幡宮のハスの花もきれいです。鎌倉鶴岡八幡宮には源氏池と平家池がありますが、源氏池に白色のハスの花が咲いていました。平家池の白いハスの花は、８月下旬でも見ごろです。鎌倉材木座海岸に近い光明寺のハスの花や由比ガ浜海岸に近い鎌倉長谷寺のハスの花は８月までです。

　夕方になっても、鎌倉七里ガ浜海岸ではウインドサーフィンやサーフィンが盛んです。鎌倉では初夏から夏の暑い時期は、暑い日中の強い日差しを避けて、夕日を見ながらの花散歩も最高です。湘南の海（鎌倉の海）の見える涼しいレストランで、ゆっくり食事をするのも良いですね。鎌倉の夏は海水浴客で七里ガ浜海岸、材木座海岸や由比ガ浜海岸も賑わいます。七里ガ浜海岸など湘南の海に行くには江ノ電が便利です。

　鎌倉駅に近い大巧寺（だいぎょうじ）のボタンクサギの花やアガパンサスの花は初夏に見ごろです。鎌倉大巧寺は大きな寺ではありませんが、よく手入れがなされた大巧寺の庭は一年中楽しむことができます。大巧寺の境内は地元の住人たちの抜け道に使われていますが、鎌倉駅前であることを忘れさせる、穴場のお寺です。

　鎌倉駅の近くにぼたもち寺があります。牡丹餅寺は小さなお寺ですが、原色に塗られたきれいなお寺です。ぼたもち寺境内にはかわいい花が咲いています。ぼたもち寺に向かう散歩道にアガパンサスの花が咲いていました。アガパンサスの花は、夏には涼しげに見えます。

　夏の暑い時期に鎌倉市内を散歩していると、ノカンゾウの花が咲いていました。カンゾウの花は食用にもされる花です。北鎌倉の東慶寺にはホタルブクロの花が咲いていました。夏の時期に涼しげで、夢のある名前の楽しい花です。

　鎌倉妙本寺の裏からハイキングコースを歩くと、鬱蒼とした山道に出ます。山道を歩いて行くと、腹きりやぐらに出ます。ここには鎌倉時代東勝寺があったところです。新田軍に攻められた鎌倉幕府の北条一族の約８７０名が自害した悲しい場所です。ここには石碑とやぐらがあるだけですが、真夏でも涼しい風が吹いてきます。

　鎌倉の秋はハギの花がきれいです。鎌倉駅西口から徒歩１５分ほどにある、海蔵寺に行くとハギの花がきれいに咲いていました。静かな境内にはキキョウの花やムラサキシキブの実などがあり、秋を満喫できます。化粧坂切通を通り源氏山にもすぐの場所です。海蔵寺から徒歩１０分ほどの場所にある、浄光明寺のハギの花もきれいでした。

《鎌倉鶴岡八幡宮源平池前のヒガンバナの花写真・9月》

《鎌倉鶴岡八幡宮西側塀沿いのヒガンバナの花とハギの花・９月》

　初秋に鎌倉鶴岡八幡宮の境内に入る手前の源平池の碑の廻りのヒガンバナの花がきれいに咲いていました。また鎌倉鶴岡八幡宮西側の塀沿いの道のヒガンバナの花とハギの花もきれいです。上の地図の十字位置を参考にして下さい。

　初秋に亀ヶ谷坂切通を歩いているとシュウカイドウの花が咲いていました。シュウカイドウの花はベコニアの仲間ですが、初秋を知らせる花です。鎌倉駅前の大巧寺ではキキョウの花が咲いていました。鎌倉ではキキョウは夏の時期から咲き出します。

　鎌倉駅前にある大巧寺の境内に咲くムラサキシキブ（コムラサキシキブ）には、紫色の実がもうできていました。またシュウメイギクも秋を告げる花です。これから、咲く秋の花も楽しみですね。

　鎌倉への交通は色々な経路がありますが、最近は湘南新宿ラインが増発され便利です。都心の渋谷から、約５０分で着くことができます。鎌倉での足は江ノ電が人気です。静かな山道を歩いた後は、江ノ電に乗り長谷駅に向かいました。明るい湘南の風が爽やかです。海にも近く、秋になってもサーフボードを持った、老若男女の皆さんがいます。ここではサーフィンは若者だけのスポーツではないようです。長谷寺に向かうと外国からの観光客が多いです。英語、中国語、ハングル、ドイツ語と様々な言葉が飛び交います。

　鎌倉長谷寺は花の寺です。鎌倉長谷寺では一年中花が絶えることはありません。鎌倉長谷寺では９月中旬、秋の花として親しまれるヒガンバナの花がちょうど咲いていました。鎌倉長谷寺に咲く、シュウメイギクの花もきれいです。

　鎌倉では例年、イロハモミジの紅葉が始まるのは１１月下旬からです。でもソメイヨシノの葉は９月下旬から紅葉します。ちょうど鎌倉長谷寺の庭にある四天王に踏みつけられた、邪鬼の足元に紅葉したサクラの葉がありました。いつも四天王に踏まれ続けている邪鬼も、秋の鎌倉の紅葉を楽しんでいるのでしょうか。

　鎌倉には古い石仏がたくさんあります。年代も読めないものも多いですが、石仏が長い時間ここに立っていることは間違いありません。石仏の年号を読むと「元文」とあります。徳川吉宗の時代ですから、２６０年も前のものです。仏様の近くのアジサイの葉が黄葉していました。石仏さまは何度、季節の移ろいを見ているのでしょうか？

　鎌倉寿福寺の裏の墓地には北条政子の墓や源実朝の墓と言われる五輪塔があります。北条政子の墓の近くにお茶の花（チャノキ）が咲いていました。皆さんはお茶の花を見たことがありますか？お茶の花は決して派手ではありません。うなだれたように、下向きに咲く白く清楚な花です。鎌倉の秋を代表する花ですので、皆様も探してみてください。寿福寺を開山した栄西は茶道の祖ともいわれ、源実朝に茶を献上したといわれています。もしかしたらこのチャノキの花は鎌倉時代から続くものかもしれませんね。そんなことを想像しながら、チャノキの花を眺めるのも良いですね。

　12月に入り、温暖な鎌倉でも紅葉が始まりました。鎌倉の紅葉はこれから年末まで楽しめます。鶴岡八幡宮の紅葉はケヤキやウルシなどがきれいです。鎌倉長谷寺はイロハモミジの紅葉がきれいです。鎌倉長谷寺では１１月下旬から夜間ライトアップがあります。北鎌倉円覚寺のイロハモミジの紅葉もきれいです。

　鎌倉由比ガ浜海岸を散歩している間に、夕方になってきました。鎌倉は日が暮れてもまだ買い物や食事など楽しむ場所がたくさんあります。これからゆっくり海岸に出て、夕日を眺めたいと思います。湘南の夕日もきれいですよ。

《鎌倉由比ガ浜海岸夕方でもウインドサーフィンを楽しむ人が・通年》

　鎌倉の由比ガ浜海岸に出るとまだウインドサーフィンやサーフィンを楽しむ人たちや夕方の散歩を楽しむ人たちがたくさんいます。私たちももう少し、夕方の鎌倉を楽しんでいこうと思います。海岸近くでお茶を飲んだ後小町通りに行く予定です。

　鎌倉散歩今が旬をたのしんでもらえたでしょうか？鎌倉はどの季節も花を楽しみながらの散歩ができます。ゆっくり鎌倉を散歩してみてください。よろしかったら鎌倉の色図鑑、江ノ電で鎌倉湘南も眺めていってください。