志賀高原の動植物

志賀高原国定公園の動植物は生き生きとして活動しています・志賀高原の温泉、花もきれい

　志賀高原は新潟県、長野県、群馬県の３県にまたがる上信越高原国立公園にある、豊かな自然に恵まれた場所です。志賀高原の夏は避暑地として、冬はスキーエリアとして、秋は素晴らしい紅葉の名所として、春は雪解けに咲くミズバショウなど、１年を通して多くの人々に親しまれている保養地です。志賀高原の豊かな自然と動植物を写真と地図で紹介しましょう。

《志賀高原動物植物観察写真・志賀高原動物植物観察地図・志賀高原動物植物観察案内》

　長野湯田中方面からの、志賀高原への入り口に地獄谷温泉があります。地獄谷温泉は志賀高原を源流とする横湯川沿いにあります。横湯川沿いに天然記念物のニホンカモシカが歩いていました。カモシカは偶蹄類でウシの仲間です。何度か山の中で出会っていますが、決して一般に言われている「カモシカ」の様にスマートではありません。以前目の前数メートル先に、崖から落ちるように降りてくるカモシカに出逢ったことがありますが、重そうで地響きを立てるほどでした。

　地獄谷温泉の源泉70℃の噴泉は見ものです。地獄谷温泉の噴泉は、高さ10ｍ近くまで湯を吹き上げます。間欠泉とされていますが、見ている間絶え間なく噴出していました。地獄谷温泉の噴泉の近くにヨツバヒヨドリの花が、咲いていました。植物が育つ様子から、地獄谷温泉の湯はほぼ中性のようです。地獄谷温泉の湯を、調べるとpHは7.2でした。

　地獄谷温泉の、噴出口を見ると白い石膏（硫酸カルシウム）成分が付着して見えます。地獄谷温泉の噴泉から噴出する温泉には、硫酸カルシウムと塩化ナトリウムが含まれるようです。温泉の湯に溶けた硫酸カルシウム（石膏）と塩化ナトリウムの２成分のうち、水に溶けにくい石膏成分の硫酸カルシウムが析出するようです。

　地獄谷温泉に地獄谷野猿公園があります。地獄谷野猿公園は、温泉に浸かるニホンザルの文化行動で世界的に有名な公園です。地獄谷野猿公園で見ていると、ちょうどぬるい温泉に、気持ち良さそうに浸かっているニホンザルがいました。気持ち良さそうですね。

地獄谷野猿公園でグルーミングをするニホンザルの親子写真

　地獄谷野猿公園では、気持ち良さそうにグルーミングをしあうニホンザルが多くみられました。地獄谷野猿公園でニホンザルを観察していると、時間が経つのを忘れてしまいます。地獄谷野猿公園のニホンザルはスノーモンキー（Snow Monkey）と言われ世界的に有名です。

植物名	長野信州の花　漢字長野信州花　英語 Flower of Nagano Shinshu
気候	温帯、亜寒帯、高原、高山
気温	－20℃～30℃
特性	気温差が大きく、湿度は小さい
花期	春、初夏、夏、秋
花色	青色花：イワギキョウ、キキョウ、トリカブト、チシマギキョウ、クガイソウ、他赤色花：タチアオイ、コマクサ、シモツケ、ヤナギラン、ザクロ、スイレン、他白色花：ゴゼンタチバナ、イワツメクサ、トウヤクリンドウ、ゴマナ、ヤマハハコ、他黄色花：ウサギギク、ハンゴンソウ、アキノキリンソウ、ニッコウキスゲ、他紫色花：ウツボグサ、ヨツバシオガマ、カライトソウ、ワレモコウ、マツムシソウ、他オレンジ色花：クルマユリ、コオニユリ、ヒャクニチソウ、ダリア、ヤマブキ、他
特徴	花が大きく、花色が鮮やかなものが多い
観察地	長野、松本、白馬、乗鞍、志賀高原、北アルプス、他
特徴	固有種の他、牧畜の牧草輸入のため帰化植物が多い、
利用	食用、鑑賞用、庭園、生薬、薬草、医薬品、創薬、バイオエネルギー、他
科名	キク科、マメ科、バラ科、ツツジ科、アヤメ科、キンポウゲ科、ユリ科、他

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《志賀高原動物植物観察写真・志賀高原動物植物観察地図・志賀高原動物植物観察案内》

志賀高原ヤナギランの花写真・夏の志賀高原の草原を彩ります

志賀高原一の瀬に咲くクルマユリの花写真クルマユリは草原の女王

　横手山は群馬県との県境に近い、志賀高原を代表する山の一つです。標高2305mあり、積雪が多く5月の連休を過ぎてもスキーが出来る、亜高山帯から高山帯の森林限界にあります。横手山スキー場のゲレンデに、オレンジ色のニッコウキスゲの花が咲いていました。ノリウツギの白色の花は、夏の青空に似合っています。またヤナギランの花が草原の涼風に揺れていました。ヤナギランは夏から秋の、志賀高原の草原を彩る花です。志賀高原標高1600m付近の一の瀬地区には、クルマユリの花の大きな群落がありました。

《志賀高原動物植物観察写真・志賀高原動物植物観察地図・志賀高原動物植物観察案内》

　志賀高原の志賀山の山麓に大沼池があります。青く神秘的な色の湖面は感動的な美しさです。大沼池の湖畔にゴマナの花とヤマハハコの花が咲いていました。白い花が青い湖面に映えて見えました。ヨツバヒヨドリの花にヒョウモンチョウとアサギマダラ蝶が止まっていました。志賀高原にはたくさんのチョウも住んでいます。

《志賀高原動物植物観察写真・志賀高原動物植物観察地図・志賀高原動物植物観察案内》

　志賀高原にはたくさんの池や湖沼があります。その一つ一つを紹介し切れませんが、志賀高原の湖沼の周りにはたくさんの動植物が棲んでいます。そこでは動植物は敵ではなく、食物連鎖を通し、大きな目で見ると互いに助け合っている場合が多いようです。チョウの幼虫の芋虫は植物を食べますが、チョウはその植物の花粉（虫媒花）を運びます。植物はチョウに食べられているようですが、植物はチョウを飼い花粉を運ばせているのかもしれません。そのように考えると無駄な命はこの世の中にはないのかもしれません。そんなことを志賀高原の水辺の動植物達は教えてくれます。

《志賀高原動物植物観察写真・志賀高原動物植物観察地図・志賀高原動物植物観察案内》

志賀高原一の瀬のシラカンバの林とノリウツギの花写真

　8月の下旬になるともう志賀高原は秋になります。9月には紅葉が進みます。志賀高原では６月近くまで雪で覆われ、10月には初雪が降ります。志賀高原の動植物は、その間とても短い夏を過ごします。私たちの生活リズムとは基本的に違うようです。夏が終わり、一瞬見せる秋の錦織り成す紅葉の時期も楽しみですね。その他、志賀高原にはオコジョやタヌキ、ツキノワグマなどが生息しています。遠くから静かに、観察したいですね。

　志賀高原の動物植物温泉自然花写真を楽しんでもらえたでしょうか？国定公園に指定された、志賀高原には多くの動植物が生息しています。これからも志賀高原の動植物と自然、温泉を楽しんで行きたいですね。よろしかったら志賀高原大沼池も眺めていってください。