不忍池花散歩

東京上野公園内にある不忍池はハスなど四季の花がきれい・不忍池は東京都心のオアシス

　東京都台東区上野恩賜公園内にある不忍池は、11万㎡の広さを持つ天然の池です。不忍池内には遊歩道が整備されていて、江戸時代に建設された不忍弁天堂（再建）などもあり散策を楽しむことができます。不忍池は上野駅から徒歩数分の場所にありますが、静かな環境と豊かな動植物に恵まれた都会のオアシスです。不忍池を花散歩すると、有名なハスの花や四季の花々、カモやカメ、スッポンなどの動植物を楽しむことができます。不忍池を写真、地図、交通アクセス、不忍池情報で案内します。

　上野恩賜公園内にある不忍池は、蓮池、ボート場、鵜の池（上野動物園管理）の3つの池からできています。不忍池の蓮池は、ハスの花で有名です。不忍池の蓮池を覆う一面のハスの葉とハスの花は見事です。夏に不忍池蓮池畔を花散歩していると、咲き始めたハスの花が不忍弁天堂を背景に観察できました（撮影7月）。不忍池のハス花と不忍弁天堂は、夏の陽に輝いて見えます。

　冬の不忍池は、東京の都心とは思えないほど静かです。12月下旬に落ち葉を踏みながら花散歩していると、不忍池畔の紅葉がきれいでした（撮影12月下旬）。この頃の不忍池は、雨が降らなければそれほど寒くなく、快適な散歩ができます。

施設名	不忍池　（しのばずの　いけ）　Tokyo Ueno Shinobazunoike Pond
住所	〒111-0007　東京都台東区上野公園　TEL 03-3828-5644 （上野恩賜公園事務所）
利用時間	蓮池付近は24時間通行可能（公園利用時間は5：00～23：00）
閉鎖日	なし（年中無休）
入場料	無料
最寄駅	・上野駅不忍口より徒歩7分・京成線上野駅より徒歩3分・上野広小路駅より徒歩7分・御徒町駅より徒歩6分
交通アクセス	・浅草駅から不忍池へ約11分・東京駅から不忍池へ約10分・銀座駅から不忍池へ約13分・旧岩崎邸から不忍池へ徒歩約7分・羽田空港駅から不忍池へ約40分・横浜駅から不忍池へ約40分
見所	不忍弁天堂、蓮池、ボート場、ハス、カモ、スッポン、カメ、観月橋、鵜の池（上野動物園内）
周辺見所	旧岩崎邸　増上寺　旧古河庭園　浜離宮　イタリア公園　浅草観音浅草寺　東京ソラマチ東京国立博物館　上野動物園　新宿御苑　台場公園　穴守稲荷神社　羽田日本橋
花植物	ハス、シダレヤナギ、キョウチクトウ、アジサイ、ガクアジサイ、ブルーサルビア、ソメイヨシノ、ウメ、サルスベリ、タチアオイ、イロハモミジ、レンギョウ、ユキヤナギ、スイセン、ヤブツバキ、四季の花

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シダレヤナギ並木の木陰が涼しい不忍池畔の遊歩道写真（撮影7月）

　近年水質も向上した不忍池は、都心のオアシスです。不忍池の源水は現在地下鉄の湧き水を利用し、様々な浄化の努力により夏でも良い水質が保たれています。夏に不忍池池畔のシダレヤナギ並木の木陰を花散歩していると、不忍池面を渡る涼風が爽やかでした（撮影7月）。不忍池畔のシダレヤナギ並木の木陰のベンチで、一休みするのもお勧めです。上の写真は不忍池中央部を渡る遊歩道から、東大付属医学部病院方面を見たものです。手前の池は不忍池ボート場です。ボート場は休日にはスワンボートやローボートで賑わいます。

　不忍池中央部を渡る遊歩道は、お勧めの散歩道です。不忍池中央部を渡る遊歩道の片側は蓮池、もう一方はボート場になっていて変化のある眺めを楽しむことができます。初夏に不忍池中央部を渡る遊歩道を花散歩していると、桜並木の下にアジサイの花がまだ咲いていました（撮影7月上旬）。ソメイヨシノ桜並木木陰の青色のアジサイの花は、とても涼しげでした。

　不忍池畔を花散歩すると、四季折々の様々な花に出会うことができます。夏に不忍池畔を花散歩していると、キョウチクトウの赤色の花が咲いていました（撮影7月）。夏の不忍池畔を飾るキョウチクトウの花は、蓮池のハスの緑色の葉を夏色に染めます。

　不忍池は上野駅や御徒町駅などにも近く、大変交通の便が良い場所にあります。東京駅から不忍池までは、最短で10分程で着くことができます。出張の折に時間が余ったら不忍池で、アジサイやハスの花などを観賞してみるのも良いですね。初夏に不忍池畔を花散歩していると、白色のガクアジサイの花が咲いていました。不忍池畔に咲くガクアジサイの花は不忍池の池面に映えます。

　不忍池の夏の風物と言えば、蓮池のハスの花です。不忍池のハスの花は江戸時代頃から有名で、浮世絵などにも描かれています（参照不忍池：歌川芳員画）。また江戸時代には不忍池のハスの花を愛でながら飲食を楽しむ風流な方々もいたようです（参照不忍池蓮見）。更に不忍池畔の茶屋では蓮飯も食べられたそうです。夏に不忍池蓮池畔を花散歩していると、夏の陽光にハスの葉と花が黄緑色に輝いて見えました（撮影7月）。

　不忍池のハスの花は、風情があります。夏に不忍池蓮池を花散歩していると、咲き始めたハスの花がハスの葉の間から紅色に浮かんで見えました。不忍池の開花前のハスの花をゆっくり眺めるのも良いですね。江戸時代に広重が描いた不忍之池を見ると、不忍池畔にたくさん並んだ茶屋でハスの花を愛でる江戸の人々の姿が生き生きと描かれています（参照広重画：不忍之池）。多忙な現代人はゆっくりとハスの花を愛でる余裕はあまりないかもしれませんが、江戸の方々の様にハスの花をゆっくり鑑賞したいですね。

　ハスは花が美しいだけでなく、様々に利用されています。ハスの地下茎は、蓮根として食用にされます。またハスの葉は蓮飯や粽を巻く道具として利用されます。更にハスの実は甘納豆などにも利用されます。ハスの花を花茶などにして、飲用している国もあります。またハスは漢方薬や医薬品としても、多くの国で利用されているようです。夏に不忍池蓮池畔を花散歩していると、蓮池のハチスが膨らんでいるのが観察できました（撮影7月）。

　不忍池の中程（中島）に、不忍弁天堂があります。江戸時代の浮世絵を見ると、中島弁財天社が現在とあまり変わらない位置に描かれています（参照一立斎広重画：中島弁財天社）（参照英泉画：江戸不忍弁天ヨリ東叡山ヲ見ル図）。創建当時の不忍弁天堂は戦災で焼け、現在の不忍弁天堂は1958年に再建されたものです。初冬に不忍池中島にある不忍弁天堂を訪問すると、お堂の前の柿の木（カキノキ）にカキの実がたくさん稔っていました（撮影12月）。

　冬の不忍池畔の散歩も、風情があります。冬に不忍池畔を花散歩していると、枯れたハスの葉が水面に垂れ下りカモが近くに浮かんでいました。不忍池の枯れたハスの葉とカモを眺めながらの散策は、センチメンタルです。

不忍池池畔の黄葉したシダレヤナギ並木写真（撮影12月）

　現在は不忍池の中島不忍弁天社と池の端は、遊歩道で結ばれています。江戸時代には船でないと渡れなかった中島不忍弁天社（参照長喜画：落雁図）と池の端間も、現在では快適な遊歩道で歩くことができます。初冬に不忍池中程にある遊歩道を歩いていると、シダレヤナギの葉が黄葉していました（撮影12月）。静かな不忍池池畔の黄葉したシダレヤナギ並木道の散策は、初冬の楽しみです。

　冬の不忍池は、とても静かです。初冬に不忍池蓮池を池之端付近から眺めてみると、枯れたハスの茎と葉が茶色く色づいて見えました（撮影12月）。冬の雪の日の不忍池の景色も風情があります（参照広重：湯島天神坂図）。

　不忍池畔の紅葉を眺めながらの散策も楽しいです。初冬に不忍池の池之端付近を花散歩していると、モミジの葉が真っ赤に色づいていました（撮影12月）。またこの季節地面に敷き詰められた落葉敷紅葉もきれいです。

JR上野駅不忍口から不忍池への交通アクセス地図は下です（地図は移動、拡大、縮小等操作できます）

　不忍池の最寄り駅は上野駅です。京成線上野駅から不忍池へは徒歩約3分。JR上野駅不忍口から不忍池へは徒歩約7分です。また上野広小路駅から不忍池へは徒歩約5分です。不忍池は交通の便が良く、静かな上野恩賜公園内にあるので四季の花散歩に最適な場所です。

　不忍池花散歩を楽しんでもらえたでしょうか？不忍池は上野恩賜公園内にある11万㎡の広大な面積の自然の池です。自然に恵まれた不忍池を花散歩すると、ハスの花や動植物に出会うことができます。江戸時代には行楽の場であった不忍池を、私たちもゆっくり楽しみたいですね。皆様も上野に来られた折に、不忍池を花散歩してみてはいかがでしょうか？きっと新しい発見があると思います。不忍池に近い浅草観音浅草寺花散歩なども眺めてみてください。