横浜で地学実習
Geography fieldwork at Yokohama
横浜の街を散歩しながら地学実習をしてみましょう・横浜の街は化石や岩石の宝庫?
横浜は意外に、坂や崖の多い地域です。横浜開港と同時に開けた、山手を歩くと牛坂、へび坂、ワシン坂、ビアザケ通りなどおもしろい地名が残っています。そんな場所では、自然の地層を観察できました。しかし現在では、以前はよく見かけた、自然にできた崖や地面を見かけなくなりました。アスファルトやコンクリートで覆ってしまったためです。横浜では崖にある露頭を観察できにくくなりましたが、横浜の街歩きをしながら気軽に地学実習をしてみたいと思います。写真や地図を眺めながら、気軽にご覧下さい。
《横浜で地学実習写真・横浜で地学実習地図・横浜で地学実習案内》
《横浜三渓園裏手にある本牧公園の露頭・海食崖写真》
地図横浜三渓園地図Yokohama Sankei Garden Map
横浜三渓園は、横浜が誇る名園です。横浜三渓園裏手の本牧公園側の露頭は横浜では貴重な存在となりました。この露頭は、波で浸食された海食崖です。戦後すぐの時期は、写真撮影場所は海の中でした。現在埋め立てられて、公園や工業地帯になっています。地層は上総層群と言われる、泥岩層、砂岩層、固い凝灰岩質砂岩層などでできています。地層の上部は関東ローム層といわれる、赤い火山灰層です。
《横浜三渓園の園内とハスの花写真》
横浜三渓園には重要文化財の建造物10棟他、見事な日本庭園が広がっています。横浜三渓園は横浜の中心部から少し離れています。横浜駅東口から横浜市営バス8系統・148系統で35分ほどの乗車になります。(三渓園前下車徒歩5分)またJR根岸駅から58・99・101・126系統で10分ほどの乗車になります。(本牧下車徒歩7分)広い園内にはハスをはじめ、たくさんの花が咲き誇ります。また横浜三渓園は秋の紅葉の名所です。
《横浜三渓園園内地層・帯水層のシダ写真》
横浜三渓園で露頭を観察していると、水が染み出しシダ植物が多く繁茂している場所がありました。地層にも水を通しやすい地層(透水層・帯水層)と、通しにくい地層があります。水を通しやすい地層には水を受精の際に必要とする、シダ植物が多く茂っています。シダ植物や蘚苔類は受精の際に多くの水を必要とするので、このような場所に繁茂します。露頭が見えにくくても、シダ植物などが指標になることもあります。
《横浜で地学実習写真・横浜で地学実習地図・横浜で地学実習案内》
《横浜元町の高級ブティックの大理石中に見られたアンモナイト化石写真》
地図横浜元町地図Yokohama Motomachi Street Map
横浜元町商店街は古くから開けた、商店街です。現在古くからある横浜ブランドと世界の高級ブランドがしのぎを削る場所です。ある高級ブティックの石材を観察していると、大理石の中にアンモナイトの化石が観察されました。数億年前の化石が見られるのは嬉しいですね。(観察時は怪しい人と思われないように気をつけましょう)
《酸性雨で腐食されたと思われる大理石製のメダリオン写真》
地図横浜フランス山公園地図Yokohama French Park Map
横浜には外国人居留地や外国人住宅が歴史的遺物として残されています。横浜フランス山公園の入り口に、大理石製のメダリオンが残されていました。大理石製のメダリオンは腐食されていました。大理石は炭酸カルシウム・CaCO3でできているために、酸性雨には弱いですから溶けやすいです。
《横浜山手聖公会の大谷石でできた塔写真》
横浜山手にはたくさんの西洋館や教会があります。横浜山手にある教会の一つ山手聖公会は中世ヨーロッパ風の建物です。外壁は大谷石でできた洒落た素晴らしい建物です。石造りで重厚な感じですが、大谷石は風化されやすいので表面加工など気をつける必要があります。
《横浜で地学実習写真・横浜で地学実習地図・横浜で地学実習案内》
《横浜港郵便局前の銅像写真・酸性雨で腐食されたといわれている》
地図横浜日本大通地図Yokohama Nihon Odori Street Map
横浜港郵便局は横浜港に近い日本大通にある郵便局です。郵便局前の銅像は現在ビルの中にありますが、以前は建物の外にありました。日本の酸性雨がひどかった時代に、像の表面が大きく腐食されたと言われています。
《山下公園インド水塔の屋根写真・緑青がきれい》
地図山下公園地図Yokohama Yamashita Park Map
観光客で賑わう、華やかな山下公園の端にインド水塔があります。このインド水塔は、横浜地震(関東大震災)で被災したインド人からの被災者援助感謝と追悼の意味込め、贈られたものです。横浜市民としてインドの方々に感謝します。横浜地震の被害はひどく、たくさんの外国人も亡くなりました。関東地震のときには不安に乗じた流言飛語によって、外国人に対する迫害という悲しい出来事もありました。
《横浜山下公園インド水塔天井写真・様々な鉱物が使われている》
しかし多くの外国の方々は、横浜復興のために手を差し伸べてくれました。この水塔もインドから感謝と追悼の意味を込め、横浜港のために贈られたものです。過去の私たちの過ちと、外国の方々からの恩義を忘れないようにしたいですね。インド水塔の天井には、素晴らしい鉱物が散りばめられています。
《横浜山下公園インド水塔石碑写真・は素晴らしい花崗岩でできています》
このインド水塔の銅でできた屋根は緑色に見えます。約70年の歳月で、銅が腐食され緑青・CuCO3・Cu(OH)2ができたようですね。また由来の書かれた石碑(このインド水塔の由来が英語で書かれています)はきれいな花崗岩でできています。
《横浜で地学実習写真・横浜で地学実習地図・横浜で地学実習案内》
《色鮮やかな天后宮・横浜中華街媽祖廟写真》
横浜中華街南門通り(南門シルクロード)を歩いていると、媽祖廟(天后宮)が見えます。媽祖は主に中国南部の沿岸部で信仰されている、女神です。台湾でも信仰が厚く、台北の龍山寺や慈祐宮でも媽祖が祭られています。媽祖廟内部には、花や天女などの素晴らしい彫刻などが施されているので、横浜中華街花散歩に最適な場所です。
《横浜中華街媽祖廟の石材は白くきれいな大理石写真》
地図横浜中華街地図Yokohama Chine Town Map
横浜中華街は世界でも有数な規模の中華街です。横浜中華街では中国文化や中国の石材も見ることができます。横浜中華街媽祖廟の石材は白くきれいな大理石でできていました。たぶんこの石材は、台湾の太魯閣産のものと思われます。
《横浜中華街関帝廟のレリーフ写真・安山岩でできている》
地図横浜中華街関帝廟地図Yokohama China Town Emperor Guan Yu Temple Map
横浜中華街にある関帝廟に行くと、そこにも素晴らしい石材が多く使われています。関帝廟は関羽を祭った中国の寺ですが、三国志のエピソードを描いたレリーフは安山岩でできていました。
《横浜で地学実習写真・横浜で地学実習地図・横浜で地学実習案内》
《横浜赤レンガ倉庫写真・明治初期から使われています》
地図横浜赤レンガ倉庫地図Yokohama Red Brick House Map
横浜赤レンガ倉庫は横浜の人気観光スポットです。横浜赤レンガ倉庫は1号館と2号館からなります。横浜赤レンガ倉庫の創建は、1911年です。横浜赤レンガ倉庫の1号館には創建当時の倉庫で使われたレールなども残されています。また横浜赤レンガ倉庫の広場では季節ごとのイベントが楽しみです。
《痛んだレンガとコンクリート・白い粉が析出写真》
横浜赤レンガ倉庫は明治時代から、約100年使われている倉庫です。多少傷んだ部分はありますが、関東大震災の揺れにも耐えました。横浜赤レンガ倉庫のレンガもコンクリートも痛んで、炭酸カルシウムCaCO3や塩化カルシウムCaCl2の白い粉が出ています。そのような年月の変化も、味があります。
《横浜赤レンガ倉庫脇の道路写真・古い花崗岩の石材が》
横浜港に面した横浜赤レンガ倉庫には、明治以来重量の重い荷物や、トレイラーが横付けされました。重量物にも耐えるために敷石には当時は高価であった、花崗岩が使われています。花崗岩に鉄の酸化物が付着しているのも味がありますね。
《横浜で地学実習写真・横浜で地学実習地図・横浜で地学実習案内》
《横浜インターコンチネンタルホテルとツワブキの花写真》
横浜マリンウオークから眺める横浜インターコンチネンタルホテルとツワブキの花も素晴らしい
《ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルの大理石に化石写真》
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルは横浜ぷかりさん橋に隣接した横浜港の眺めが良いホテルです。ホテルの入り口の大理石を眺めているとべレムナイト?らしき化石が入っていました。この付近には国連などの国際機関も多いので、怪しい行動をとらずに観察してみてください。
《粗悪なコンクリート橋は20年も経たずに腐食写真》
世間ではコンクリートは丈夫であると思われていますが、耐用年数は非常に短いです。特に粗悪なコンクリートは20年も経たずに、上の状態です。意識を変えて早めに手を打たないと、せっかくの建造物も大変なことになるかもしれません。
《横浜で地学実習写真・横浜で地学実習地図・横浜で地学実習案内》
《高価な石材が使われています・横浜クイーンズスクエア石材写真》
地図横浜クイーンズスクエア地図Yokohama Queen's Square Map
横浜みなとみらい地区にはランドマークタワーやクイーンズスクエアなど高層ビルが立ち並んでいます。この付近の歩道の足元の石材も贅沢です。黒く結晶が輝いているのは斑レイ岩でしょうか?大きく黒っぽい結晶に特徴があります。結晶が小さく黒っぽいものは、玄武岩でしょうか?赤みを帯びている岩石は花崗岩です。
《横浜ランドマークタワーは外壁がすべて花崗岩でできている写真》
《横浜ロイヤルパークホテルの照明は大理石写真》
横浜ランドマークタワーはかつて日本一の高層ビルでした。さすが横浜ランドマークタワーは費用もかかっています。横浜ランドマークタワーは外壁はすべて花崗岩で覆われています。またランドマークタワー内にある、ロイヤルパークホテルの照明は大理石を透かせて照明に使っています。
《ダーツの的も高価な石材が使われている写真》
《重厚なテーブルには化石がいっぱい写真》
横浜ロイヤルパークホテル内は、更に豪華な石材が豊富に使われています。ホテル内を眺めているだけで、地学実習ができてしまいます。ダーツでトルコ石100点、大理石50点とかやってみたいですね。怪しまれないようにホテル内を探検すると、化石もたくさん見つかります。
《横浜ドックヤードガーデンも岩石の宝庫写真》
《横浜ドックヤードの建造年代も記録されています》
横浜ランドマークタワーの麓にドックヤードガーデンがあります。横浜ドックヤードは明治以降造船所として使われてきたものです。ここもヨコハマの地学実習として、必見の場所です。ドックヤードガーデンでは様々な石材が使われていますが、ちょうど断面が見えました。これは安山岩のようですね。
《横浜で地学実習写真・横浜で地学実習地図・横浜で地学実習案内》
《横浜そごうデパートの外壁はサンゴ質の大理石・石灰岩写真》
JR横浜駅東口に近い横浜そごうデパートに地学探検に行きました。入り口の岩石は赤いサンゴ質の大理石(石灰岩)のようです。色合いが素晴らしいですね。この建物も豪華な石材がふんだんに使われています。
《テラコッタの鉢から析出した塩分写真》
横浜駅の地下街ルミネを歩いていると、イタリア風の飾り付けをした一角があります。鉢をよく見るとテラコッタですが、テラコッタの底から塩分が析出しています。塩化カルシウムなどと思われます。良い色合いですね。しかし植物にとっては多少害(塩害)になります。
今日は横浜で、できる地学実習を紹介しましたが、ハンマーで建造物を傷つけることはできませんので、あまり正確でない部分もあります。間違いがありましたらお許し下さい。雨の日でもできる横浜地学実習ですので、皆さんも挑戦してみてください。なお、地学実習の観察時には不審者として怪しまれないように、気をつけて行動してください。
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