紫色の図鑑・自然写真

紫色は高貴でゴージャス・自然界の様々な紫色を楽しんでいってください

　昔から紫は高貴な色、といわれています。紀元前の昔から貝紫色（Royal Purple）を始め、紫色は贅沢な色だったようです。今日は紫色を写真図鑑にしてみました。紫色も様々な色彩があります。青紫色から紫色、赤紫色、すみれ色、マゼンタ、・・・様々な紫色を楽しみましょう。自然が作るきれいな紫色の写真を眺めてください。

紫色に染まる横浜港と横浜港大桟橋に停泊する豪華客船は素晴らしい

　清少納言の枕草子は短い言葉で、自然を描写した名作です。そのなかに「紫立ちたる雲の細くたなびきたる・・・」とありますが空や雲が紫色に見える日も時々あります。横浜港山下公園で豪華客船を眺めていると、空が紫色に染まりとてもきれいでした。その様子を眺めていると、時のたつのも忘れました。

《横浜外交官の家に咲くジャノメエリカの紫色の花写真》

　紫色の花も多いですね。横浜外交官の家で早春に咲くエリカはみごとです。かわいい花の形と、花の鮮やかな紫色に心を惹かれます。上高地で小梨平あたりを散歩していると、きれいな紫色のヤマホタルブクロに出逢いました。まだつぼみですが、咲くのが楽しみですね。奈良公園を花散歩していると、奈良春日大社に砂ずりのフジの花が咲いていました。日本では昔から藤紫色は好まれていたようです。

名称	日本語　紫色花　英語　 Purple Flower　中国語　紫色花朵　ラテン語　Flores purpurei
特徴	フラボノイド系、ベタレイン系の主に2色素による発色
色素	・フラボノイド系（紫）：ダリア、キンギョソウ、アジサイ、アサガオ、ペチュニア、パンジー、等・ベタレイン系（赤紫）：オシロイバナ、マツバボタン、ケイトウ、ブーゲンビリア、等
春花	ストック、シラン、シモクレン、オオムラサキツツジ、オオアラセイトウ、ライラック、他
夏花	ラベンダー、ニオイバンマツリ、ハナショウブ、トレニア、ブーゲンビリア、他
秋花	ハギ、オシロイバナ、ヒャクニチソウ、コウテイダリア、コスモス、センニチコウ、シュウメイギク、他
冬花	マーガレット、オトメツバキ、アザレア、クリスマスローズ、シンビジウム、スミレ、パンジー、他
熱帯	ブーゲンビリア、ピンクノウゼンカズラ、デンファレ、コチョウラン、トレニア、他
温帯	スミレ、ハギ、キク、ラベンダー、シモクレン、オオムラサキツツジ、シラン、他
利用	観賞用、染色、鉢植え、食用、生薬、観賞、香水、他
芸術	絵画（ラベンダー、バラ、コスモス、他）、句歌（スミレ、コスモス、バラ他）、文学（スミレ、キク）

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アジサイやガクアジサイの花色が青色から紫色に変わるのも面白いです

　アジサイの花言葉は「移り気」です。咲きはじめと後では、がくの色が変わります。上の写真は、がくの色が変わっている様子が、よくわかりますね。ちなみに花は真ん中の小さな部分です。左は花がまだつぼみで、右は花が咲いていることが分かります。アジサイは、がくに含まれるアントシアニンがPHや金属イオンなどで変わるようです。

　京都平安神宮の神苑では初夏ハナショウブの花が見事に咲きます。ハナショウブの花も良くみると青色から紫色へと変化しているのがわかります。北海道積丹半島でノブドウに出逢いました。ノブドウの実もアジサイの花ように緑色から青色、紫色へと変化している様子が分かります。これもアントシアニンが細胞内のPHの変化で変化しています。

ナスの花色やナスの茎、葉脈、ナスの実の紫色も素晴らしいです

　ハボタンやナス、アカジソなどは葉も紫色をしています。普通葉は緑色をしています。緑色の成分は葉緑素（クロロフィル）で植物の光合成には欠かすことのできないものです。以前アカジソをエタノールで煮たことがあります。（＊直接加熱すると危険です、湯せんをして下さい）するとエタノールがきれいな緑色に染まりました。この緑色の成分は葉緑素です。つまりアカジソなどはちゃんと葉緑素を持って光合成をしているのですね。紫色の成分はアントシアニンです。アカジソから取った紫色の液に酢（酢酸）を加えると紅色に変化します。昔の人はこれを梅干などの染色に使っていました。昔の人の知恵に驚かされますね。

　上高地を散策していると、コムラサキ蝶に出逢いました。翅を開くと紫色に輝きます。その美しさに息を呑みます。もっとよく撮ろうと方向を変えると、見る方向によって茶色く見えます。これはチョウの翅に鱗粉が付いていて、鱗粉がCDやDVDのように光を分光して反射しているからです。

　紫水晶（アメジスト）もきれいな紫色です。発色の理由は水晶の結晶中に含まれる鉄イオンと放射線による格子欠陥が関係しているそうです。不純物と放射線によって、紫色になるのは不思議ですね。

　オアフ島のフォスター植物園を歩いていると、きれいな紫色のデンファレが木からぶら下がっていました。下の写真はキャノンボールの木（Cannonball tree）の花です。濃い赤紫の花です。実も赤紫色の砲丸のようでした。オアフ島の動植物もご覧下さい。

　紫色の写真を図鑑にしてみました。日本の色を調べたら、紫の入った色が非常に多いことがわかりました。いろいろな紫色があるのですね。楽しんでもらえたでしょうか。なお私の感覚で色彩を述べましたので、この色は紫ではないと言われる方もいらっしゃると思いますが、お許し下さい。よろしかったら青色の図鑑も眺めていってください。