京都東福寺花散歩

東福寺の庭園、紅葉・青モミジは見事・東福寺花散歩は四季折々に楽しめます

　京都市東山区にある東福寺は、京都五山の一つに上げられる名刹です。京都市の中心部に近い寺ですが、紅葉の時期以外は、東福寺境内に入ると街の喧騒がうそのようです。東山の山並みを借景とした東福寺庭園は素晴らしく、定評があります。また東福寺方丈以外の塔頭にも、知る人ぞ知る名園があります。京都東山にある、東福寺を花散歩してみましょう。それでは東福寺を写真と地図、交通アクセスでご案内します。

東福寺通天橋とイロハモミジの紅葉写真（撮影11月下旬）

　京都市東山区にある東福寺は、京都五山の一つに上げられる名刹です。東福寺が最もにぎわう時期は、イロハモミジの紅葉する11月下旬ごろです。東福寺通天橋とイロハモミジの紅葉は、世界的にも有名な風景となっています（撮影11月下旬）。

東福寺の境内は広く、境内には様々な建築物や文化財があります。東福寺経蔵前を歩いていると、経蔵前の紅葉が見事でした（撮影11月下旬）。

東福寺芬陀院の茶室からの庭園の眺め写真（撮影10月上旬）

　東福寺には、たくさんの塔頭があります。そのなかの一つ東福寺芬陀院の庭園は、雪舟作として有名です。南庭は鶴亀の庭と言われ、鶴島と亀島を配した枯山水となっています。東福寺芬陀院の茶室の丸窓からの、庭園の眺めも素晴らしいです（撮影10月上旬）。

施設名	臨済宗大本山　東福寺　（とうふくじ）　Kyoto Tofukuji Temple
住所	〒605-0981 京都府京都市東山区本町15-778
拝観時間	・4月～10月末まで拝観時間　　　9:00～16:00 （拝観受付終了は16:00 ）　※16:30に閉門・11月～12月初旬まで拝観時間　8:30～16:00 （拝観受付終了は16:00 ）　※16:30に閉門・12月初旬～3月末拝観時間　　　9:00～15:30 （拝観受付終了は15:30 ）　※16:00に閉門
拝観料	＊通天橋・開山堂　通常600円：紅葉時期1000円（小中生300円）　＊本坊庭園　500円（小中生300円）
閉門日	・特になし（塔頭はそれぞれ異なります）
最寄駅最寄バス停	・JR京阪東福寺駅から徒歩約11分・京阪鳥羽街道駅から徒歩約10分・地下鉄十条駅から徒歩約23分・東福寺バス停から徒歩約12分
交通アクセス	・京都駅から電車と徒歩で約13分・伏見稲荷大社から電車徒歩で約16分・三条駅から電車と徒歩で約17分・八坂神社から約26分・烏丸駅から約27分・大津駅から電車徒歩で約27分・大阪駅から電車徒歩で約48分・淀屋橋駅から電車徒歩で約59分・伊丹空港からで約78分・名古屋駅から約59分・品川駅から電車で約2時間36分
見所	通天橋、開山堂、東福寺三門、東福寺東司、東福寺本坊庭園、芬陀院、紅葉、敷紅葉、青モミジ
周辺花	センリョウ、ツバキ、紅葉、アオキ、イロハモミジ、ツワブキ、ウメ、ニホンスイセン、ロウバイ、ヤマボウシマンリョウ、タマサンゴ、サザンカ、ビワ、チャノキ、落葉、ピラカンサ、ナンテン、ウツギ、四季の花
周辺	建仁寺　白川巽橋　野宮神社　八坂神社　円山公園　京都東山　東福寺　祇園白川　平安神宮廬山寺　蓮華寺　曼殊院　実光院　霊鑑寺　若王子神社　法然院　北野天満宮　智積院　三年坂

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　京都駅から東福寺駅へはJR奈良線普通列車で一駅です。京阪電鉄も便利です。東福寺駅から東福寺へは徒歩約11分で着きます。東福寺駅前は下町風の商店街ですが、東福寺境内に近づくと木造の屋根つきの橋が見えます。ここからは紅葉の名所、通天橋が見えます。

　東福寺の境内に入ると、立派な三門が見えます。室町時代に創建された壮大なもので、国宝に指定されています。境内には東司（トイレ）がありますが、この東司は重要文化財に指定された珍しい遺構です。

青モミジ（イロハモミジ）の時期の東福寺通天橋は緑色に染まりそうな美しさです

「老僧の紫衣（しい）もみどりにそみつべき通天橋の若楓かな」

九条武子（東福寺ホームページより引用させていただきました）

　紅葉の時期には観光客で賑わう東福寺通天橋も、青モミジの時期は静かです。まわりの空気までイロハモミジの緑色に染まりそうな、通天橋に吹く風は爽やかです。ちょうど通りかかった僧侶も会釈してくれました。そんなちょっとした出会いもうれしい、青モミジの時期の通天橋です。通天橋を渡り開山堂に行きます。開山堂の前には池泉式庭園と枯山水庭園が見えます。これらの庭園は、江戸時代中期の名園です。

　東福寺本坊庭園は、昭和に入って重森三玲氏が制作したものですが、伝統的な様式の中にモダンな意匠がみられる見ごたえのある庭園です。方丈を取り囲んだ東西南北の庭園にはそれぞれ重森氏の考えたテーマを感じることができます。ゆっくり見学すると勉強になります。南庭は力強い海の荒波のイメージと、五山の柔らかな山並みの対比を感じさせる枯山水です。

　東福寺本坊北庭園はコケと石の市松模様が、独特のモダンな景色を造っています。長い年月で盛り上がったコケが、独特の印象を与えます。ここからは、通天橋を眺めることができます。

　東福寺本坊東庭園は斬新なデザインの庭です。北斗七星を表す円柱状の柱が、古代ギリシャの遺跡の円柱にも見えます。円柱の周りの砂紋が、小宇宙を感じさせます。

《東福寺方丈西庭園写真・花頭窓から見えるコケが目に鮮やかです》

　東福寺本坊西庭園は、青々としたコケが印象的な庭園です。恩賜門の内側にある、花頭窓に座って窓越しに西庭園を眺めていると、コケの青さで頬が染まりそうです。方丈西庭園に吹く風がすずしく、気持ちが良いです。

東福寺芬陀院庭は雪舟庭と呼ばれ雪舟作庭の枯山水の庭園です

　東福寺にはたくさんの塔頭（たっちゅう）がありますが、そのなかの一つ東福寺芬陀院の庭園は雪舟作として有名です。南庭は鶴亀の庭と言われ、鶴島と亀島を配した枯山水となっています。

　東福寺塔頭、芬陀院の茶室丸窓からの、庭の眺めも最高です。青々としたコケの緑が反射し茶室に差し込みます。初秋の爽やかな風に吹かれると、いにしえの人となったような気にさせられます。芬陀院の手水には、初秋の花とススキが生けられていました。しゃれていますね。

　東福寺は紅葉の時期には、たくさんの人でにぎわいます。たしかにその紅葉は見事です。紅葉の盛りに通天橋を歩くと、本当に顔がモミジの紅葉で染まりそうです。緑のコケに散った、敷紅葉の頃も最高です。でも落ち着いた初夏や初秋の東福寺も、庭園をゆっくり眺めるには良いかもしれません。

　東福寺から泉涌寺にむけて歩いていると、青山豆十さんの灯りがきれいでした。ちょっと豆菓子をつまんでゆくのも良いですね。ちょっとした寄り道も、京都花旅花散歩の楽しみです。

　東福寺をゆっくり見学して街に出ると夕闇が迫ってきました。夕方の街の明かりもきれいです。京都駅まで戻ると京都タワーの夕景がきれいです。これから食事や買い物を楽しんで行くのも良いですね。はんなりと京都の旅を楽しんでいってください。よろしかったら京都紅葉アルバムも眺めていってください。